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寺島洋品店

R0010917.jpg






赤平市に行って来た。

私の住む美瑛町からも割と近く かつて炭坑で栄えた街だ。

駅員不在の駅の駐車場に車を停め カメラを片手に外に出る。

ほどなくして 巾着袋を持ったおばさまが 電話ボックスに入り

公衆電話を使い始めた。この光景を目にしたのは 何年ぶりだろう。。

美瑛に比べ街の中を歩いている人の多さに気づかされる。。

その反面 街のほとんどの店は シャーターが閉まっており その光景は今日だけの事ではなさそう。

手書きで書かれたような看板が印象的な洋品店も 青と言おうか緑と言おうかシャッターがしまっている。

その店の前を小型の重機が雪かきのために 右に左にと往復をしている。

しばらくすると作業が終わったようだったので

店にカメラを向けていると さっきの重機からおじさんが降りて来た。


「古い建物撮ってるのかい?」


街の写真を撮るという行為が 不快におもわせてしまったのかと すこしドキドキした私だったが 

御歳70歳ほどのおじさまは 意外にやさしげな笑顔だった。


そして この街にある古い家に 今も主が住んでいるのは一軒しか無いことや

この建物は 旧の郵便局だとか あの赤い屋根は昔の炭住(炭坑住宅)だとか

色々教えてくれた。そして 昔はこの辺りのほとんどに炭住が立ち並んでおり

石炭は会社から配給されるし 電気、水道はただで使えたんだと。。

「だから 昔はイカッタんだ。」

とおじさまは 下向き加減で笑った。


そして 洋品店のおばあちゃんが亡くなったのは 去年の11月の事だった事も教えてくれた。。

90歳だったそうだ。

築60年ほどだという建物は 最初は産婆さん そして古本屋 そして洋品店と その肩書きを変えたらしい。

その過程で所々リフォームをされている印象だけれども

未だに壁は板べいという断熱が優れない造りのため とにかく 冬は寒く

その為 四十九日を過ぎた先日 亡くなったおばあちゃんの息子さんが 仏壇を自分の家へと運び出したとのことだった。


しばらく 氷点下の道ばたで この街のストーリーに触れさせてもらったが


「まぁ がんばって」


と言い残し おじさまはまた重機に乗って 去っていった。

そして 重機が見えなくなって想った。

おじさまは この洋品店のお隣さんだったりほんのご近所って訳ではなかったのだ。

それなのに こうして重機を持ち込んで雪かきをしてあげていたのだ。

きっと 誰に頼まれた訳ではないのだろう。。 

ただ 雪やこの冬にこの洋品店が埋もれていってしまうことは 

おじさまの心の風景には なかったのだろう。。


日が沈み 所々の家の窓に あたたかな灯りがともりだした。


人気が無く その窓に灯りが二度とともるはずのない旧郵便局。

しかし その外観を路肩の街灯が この街の風景に照らし出していた。。

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Comment

うめじろう | URL | 2013.01.16 15:43
お初にお目に(?)かかります。
うめじろうといいます。
実はたまに覗かせていただいていたのですが、今回のお話にとても胸を打たれ、思わずコメントしてしまいました。

これからも心を動かす写真とお話、楽しみにしています。

失礼しました(^-^)
Kanako Gotoh | URL | 2013.01.16 18:17

こんにちは

つたないブログをのぞいて頂きましてありがとうございます。

きまぐれではありますが これからも綴ってまいりたいと想いますので

よろしくおねがいいたします。
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プロフィール

ごとうかなこ

Author:ごとうかなこ

神奈川県生まれ
中学生の頃から写真に興味を持ち、26歳で北海道に移住。現在は美瑛町在住。
(株)フォトシーズン勤務を経て、カメラマンとして撮影に携わる。

mail:kanakogotoh@gmail.com

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